美食グルメに出会える街「人形町」の下町うまいもんグルメ散歩!

美食グルメに出会える街「人形町」の下町うまいもんグルメ散歩!

人形町をグルメライターが食べ歩き取材。古くは江戸の歌舞伎街として栄えた歴史ある人形町。甘酒横丁、水天宮、日本橋……、散歩した先には美味しい店が待っていました。人気グルメ雑誌おとなの週末のグルメライターが歩きに歩いて見つけた人形町グルメをお届けします。


昼も夜も歩いて、食べて飲んで、美食に出合える街、人形町は散歩した先にうまいもんあり!

歩けば歩くほど楽しい人形町界隈を探訪

 街には独特の〝匂い〟というか個性があると思う。人形町はといえば、どこか甘く華やいだ、小粋な和の薫りがする。通りを歩けば実際に名物の人形焼の甘い香りが漂ってくるし、近くの水天宮に参拝する家族連れや買い物を楽しむ人々の笑顔は明るく晴れ晴れとしている。江戸時代、界隈では江戸歌舞伎が上演され、浄瑠璃や操り人形などの芝居小屋が軒を連ねた芝居の街だったのはご存じの通り。人形町と正式町名になったのは昭和8年だが、人形師が多く住んでいたこともあって昔から「人形丁通り」と呼ばれ、それはもう江戸随一の歓楽街だったんだそう。もちろん今も下町情緒と人情は息づいていて、いつ訪れてもその空気感にワクワクしちゃうんだから不思議な街だ。さてと今回の散歩人は私ライター肥田木奈々。好奇心を道連れに、思いつくまま歩いてみるとしましょうか。

最初に向かったのは定番の甘酒横丁。


 最初に向かったのは定番の甘酒横丁。『とうふの双葉』の店頭で販売している甘酒でほっこり温まり、周辺をてくてく。

行列のたい焼き屋に煎餅屋、そんな古くからの老舗があるかと思えば、お茶屋『森乃園』の甘味が味わえるカラオケ(ほうじ茶ハイボール&抹茶ビールなんてのもアリ!)や若者に人気のイマドキのピザ店があったり、新旧ジャンルもいろいろ。うーん、この街はやっぱり奥が深い。

甘酒横丁から明治座方面へ向かえばそこは浜町。

 甘酒横丁から明治座方面へ向かえばそこは浜町。先の〝におい〟の話じゃないけれど、オフィスビルや緑豊かな浜町公園があるこの辺りは進化する都会のオアシスって感じかな。そんな浜町に最近美味しい店が増えているのをご存じだろうか。そのひとつが『富士屋本店日本橋浜町』。立ち飲みビストロの人気店で、三軒茶屋から移転した。気付けば既に夕暮れ、今宵はここで一杯といきますか。

 1階の立ち飲みでは男女客がワインをグビグビ楽しそうに飲んでいた。皆さん、何ていい笑顔なんだろ。私もぎゅうぎゅうのカウンターに滑り込んだ。黒板に目をやると季節感と遊び心あふれるメニューが数え切れないほど並んでいて、早くもテンション急上昇!

 しかもフォアグラを惜しげもなくのせた鴨ハンバーグなど、どれも信じられないほど安くて美味しい。いやもうホント地元の人が羨ましいと心底思う。この店に通うためだけに引っ越してこようかな。

写真:鴨のハンバーグとフォアグラ1566円

富士屋本店の詳細ページへ

別の日は人形町~茅場町を探訪。

 別の日は人形町~茅場町を探訪。気になっていた老舗の『高柳豆腐店』や『サンドウィッチパーラーまつむら』で豆腐やパンを買い込み、強運厄除けの神として知られる小網神社にお参りする。

写真:昔ながらの『高柳豆腐店』ではもめん豆腐「ゆたか」がおすすめ。

写真:『サンドウィッチパーラーまつむら』は買ったパンをイートインできる。

 その後に見つけたのが『ロットチェント』だ。こちらはシェフが修業したシチリアの料理が名物で、とりわけ極太生麺を使ったパスタは膝を打つ旨さ。「イカキモのラグー」の麺はうどんのように太い。食べればモッチリ……と思うでしょ? いやいやそれがどちらかといえばパツン。つまり歯切れがいいのだ。イカ肝の力強いソースとも完璧なマッチング。いろんな意味でこんな骨太パスタ初めて食べたかも。もしかしてお参りのご利益?

写真:上からイカキモのラグー極太麺1944円、ゴルゴンゾーラのやみつきムース864円、名物! たこジャガ3024円

ロットチェントの詳細ページへ

 ここらで酒をこよなく愛する私が散歩中に吸い寄せられた店を2軒。その店は『川口酒店』『NIHONBASHI BREWERY.』『川口酒店』は日本橋駅近く、元酒屋の倉庫を改装した店内はいい店の匂いがプンプンだ。日本酒の品揃えは酒好きの店主が厳選した幅広いラインナップで、1階では飲み比べもできる。つまみも酒飲みのツボを押さえた技ありの品揃え。

写真:日本酒3種飲み比べ※写真のセットは1210円

写真:上から特製甘辛ダレの手羽唐揚げ500円、もつ煮豆腐700円、本めじまぐろ漬け800円

日本酒Bar 川口酒店の詳細ページへ

『NIHONBASHI BREWERY.』は馬喰横山駅近くにオープンしたクラフトビールの店。静かな街並みに突如として現れるガラス張りの店構えが目を引いた。昼から酒が飲める上、ここでしか味わえない極旨のオリジナルビールがあるときたら、のんべえのアナタなら、私がほくそ笑む気持ち分かるでしょ?

写真:上から岩中豚の手締めソーセージ1180円、ネストビールヴァイツェン580円、とろけるポテサラ580円、NIHONBASHIIPA980円、オクラと大葉のジェノベーゼピザ1180円

NIHONBASHI BREWERY.の詳細ページへ

最後はズバリ駅近、甘酒横丁の裏通りの店

 さて、最後はズバリ駅近の新店を攻めるとしよう。ということで甘酒横丁の裏通りにある『日本橋蕎ノ字』を訪ねてみた。静岡で天ぷらと蕎麦の店を営んでいた店主が「天ざる蕎麦の本場、日本橋界隈でやってみたい」と地元の店を閉じて移ってきたという。凛とした檜の一枚板のカウンター内で黙々と天ぷらを揚げ、〆に蕎麦を供する店主の姿は覚悟とやる気に満ちあふれている。言っておくが蕎麦屋の天ぷら、ではない。天ぷら専門店でもない。天ぷらと蕎麦、両者それぞれが主役でプロの技。なるほど早くも予約困難と言うのも納得だ。

写真:昼の部おまかせ天ぷら〆の手打ち蕎麦4100円

日本橋 蕎ノ字の詳細ページへ

 ほかにも『人形町ぱちぱち』ではイクラたっぷりのオムレツがヒット。駅近もニューフェイス続々です。

写真:人形町駅近くで見つけた新店『人形町ぱちぱち』の名物オムレツ

 老舗なら大正時代創業の『㐂寿司』のバラちらしは手土産にどうだろう。

写真:バラちらし3996円(持ち帰りは箱代216円込み)※店内食は3780円

㐂寿司の詳細ページへ

 2代目店主はこの地で生まれ育った下町っ子。子どもの頃の街の様子を聞けば、「明治から昭和にかけては花街として栄えていたので、昭和40年代ごろまでは黒塀の料亭がまだ20軒ほどありましたね。夕方6時ぐらいになると芸者さんを乗せた人力車がその辺を走っていてね。小学生の頃は甘酒横丁に駄菓子屋とか小さい店がたくさんあって、焼きたての草加煎餅をしゃぶりながら浜町公園に遊びに行ったりしたなあ」

 映画みたいな昭和の風景に聞き入ってしまう。それにしてもほんの数十年前、当たり前に人力車が行き交っていたなんて。「昔は典型的な下町で風情がありました。今は新しい店が増えて様変わりしたなあと思います。最近の店もいいけれど、今も頑張っている古い店にも足を運んでほしい。長年続くにはそれだけの理由がありますから」

 老舗の飲食店や伝統工芸品など数々の古き良き名店があるのも人形町の大きな魅力だ。江戸時代から脈々と受け継がれてきた下町風情の中に、さりげなく新旧の融合があるからこそ、年齢や性別を問わず誰が何度訪れても飽きのこない場所なんだろうな。歩いて楽し、食べて幸せ、人情に触れてまたうれし。すごいぞ、人形町。この街がまた一層、好きになりました! 

人形町界隈には由緒ある神社が数多く点在。

神社仏閣情報


人形町界隈には由緒ある神社が数多く点在。下町を散策しながらの七福神めぐりが人気です。

水天宮

 安産や子授けなどのご利益があることで有名で、「戌の日」には多くの安産祈願の参拝客で賑わう。江戸時代に久留米藩主の有馬頼徳公が水天宮の御分霊を港区赤羽の藩邸内の御分社に祀ったのが創め。その後、藩邸の移動により青山へ移り、明治5年に現在の場所に鎮座された。平成28年4月に新社殿が完成。

東京都中央区日本橋蠣殻町2-4-1 開境内開門7時~18時(神札所は8時~) 交地下鉄半蔵門線水天宮前駅5番出口からすぐ

小網神社

 戦災を免れた現在の社殿と神楽殿は日本橋地区に残る唯一の総檜造りの神社建築。特に向拝左右に施された「昇り龍」と「降り龍」の彫刻は見事。御守を受け出征した兵士が全員無事に帰還したことなどから強運厄除けの神と信仰を集め、東京銭洗い弁天としても知られる。福禄寿は日本橋七福神の一柱。

東京都中央区日本橋小網町16-23 開9時~18時(参拝は24時間) 交地下鉄日比谷線ほか人形町駅A2出口から徒歩6分

MAP

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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