撮り鉄の「食」の思い出(22) 新緑を行く土讃線の旅 四国まんなか千年ものがたり編/2018年

撮り鉄の「食」の思い出(22) 新緑を行く土讃線の旅 四国まんなか千年ものがたり編/2018年

2017年にデビューした「四国まんなか千年ものがたり」。デビュー前に工場で車内を見せてもらい、その後も何度も沿線で走る姿を撮影しました。 ただ、この列車はおいしい食事のレストラン列車です。 今回は、旅番組のお手伝いで、一年越しの念願かなって、やっと乗車取材することができました。


新緑を行く土讃線の旅 四国まんなか千年ものがたり編/2018年

2017年にデビューした「四国まんなか千年ものがたり」。

デビュー前に工場で車内を見せてもらい、その後も何度も沿線で走る姿を撮影しました。

ただ、この列車はおいしい食事のレストラン列車です。

やっぱり、乗らなくちゃと思っていたのですが、なかなか機会がありませんでした。

[土讃線を走る「四国まんなか千年ものがたり」(2017年撮影)]



今回は、旅番組のお手伝いで、一年越しの念願かなって乗車することができました。

こんなときは、鉄道カメラマンになってよかったなと思います。

旅の始まりは土讃線の起点の多度津駅。

瀬戸大橋の近くにあります。

JR四国では、最初に愛媛県の松山を中心に走る「伊予灘ものがたり」という列車を走らせました。

海を眺めながら食事の出来る列車です。

「ものがたり列車」の第2弾として2017年に登場したのが、この「四国まんなか千年ものがたり」です。

こちらは山の風景を楽しみながら走る列車です。

[右が、最初にできた「伊予灘ものがたり」。左が「四国まんなか千年ものがたり」]




朝10時過ぎの多度津駅ホーム、音楽を鳴らしながら3両編成の列車が滑り込んできます。

明らかに特急車両とは違う外観で、車両ごとに色が異なります。

 1号車は緑色、春萌(はるあかり)の章、
 3号車は赤色、秋彩(あきみのり)の章、
 2号車は左右で色が異なり片側が夏の青、片側が冬の白。

3両編成で四季の移ろいをイメージしています。

アテンダントさんに導かれて車内に入ります。

古民家をイメージして作られたという落ち着いた作り、いろりの上部のような木組みや、暖かい色合いの照明がいい感じです。

[1号車/春萌(はるあかり)の章(2017年撮影)]


[2号車車内(2017年撮影)]


[3号車/秋彩(あきみのり)の章(2017年撮影)]





10時18分 多度津駅出発です。

多度津駅をはじめ、いろいろな駅や沿線で、駅員さんや地元の方々が手を振ってくれます。

多度津駅を出発したものの、あっという間に最初のイベント琴平駅に到着です。

こんぴらさんに近い琴平駅には、この列車専用の「ラウンジ大樹」があります。

ウエルカムのスープをいただきながら、ラウンジでくつろぎます。

部屋の奥を見て、びっくり。

金色の畳があります。

地元琴平のプロジェクトで寄贈された金の水引を使ったたたみ。

ものすごくありがたい感じで、記念写真スポットにもなっていました。


[琴平駅の専用ラウンジ、ぴかぴかの畳がまぶしい]




琴平駅を出発すると、食事の時間の始まりです。

今回のテーマは「讃岐三畜と旬の地元野菜の洋食プレート」です。

前半は冷製料理から。

4つに分かれた、美しい盛り付けです。

肉、魚、野菜、それぞれのアラカルトで、地元の味を堪能できます。

できれば、お酒も……さすがに撮影中でムリでした。


[前半の冷製料理、美しくておいしい料理を堪能]


[イイダコのオイル煮イクラ添え 高瀬町産のグレープフルーツのドレッシング]


[地元産の若鶏、瀬戸内産の真鯛などを使った料理もおいしい]





前半の食事も落ち着いたころ、ふたつ目のイベント、秘境駅で有名な坪尻駅に到着です。

この駅は、いったん駅を通り越してバックでホームに入るスイッチバックの駅。

車では近づけず、徒歩でも急な山道を歩かなくてはならない、秘境駅中の秘境駅です。

この駅でしばらく停車して、駅付近を散策、駅から見上げると深い谷底に駅があることがわかります。


[スイッチバックの秘境駅坪尻駅、横の通過線を特急列車が駆け抜ける]


[車ではたどり着けない坪尻駅は、深い山の谷底にある]




行程のほぼ中間の、阿波池田駅を発車すると料理も後半、温製料理です。

地元のオリーブ豚のフリカッセ(クリームソース)と普通寺産のダイシモチ(麦)のピラフです。

列車の揺れにちょっと疲れたお腹にやさしい味わいで、楽しめます。

[後半に出る温製料理、あたたかくてやさしく気遣いの味]




そして、デザートとコーヒーが出るころ車窓はクライマックスの大歩危小歩危(おおぼけこぼけ)渓谷へ。

ビューポイントではゆっくりと走ってくれて、風景も堪能しつつ終点の大歩危駅に到着です。


[デザートタイムは、絶景を眺めながら楽しめる]



さて、料金です。

 多度津駅~大歩危駅の乗車料金+グリーン料金で3740円。
 下り列車の料理は5500円(いずれも2018年4月現在)


各料理やサービス、風景などなど、たっぷりとゆったりと楽しめて、かなりリーズナブルだと思います。

四国に旅するときには、ぜひ乗ってみてください。


「四国まんなか千年ものがたり」は金曜~月曜を中心に運転されています。
また、料理は季節や上り下り列車によって変わります。
運転日、料金、予約方法などの詳細はJR四国のホームページでご確認ください。



次回は土讃線の後半、幕末維新号編の予定です。





佐々倉実(ささくら みのる)
 鉄道をメインにスチール、ムービーを撮影する“鉄道カメラマン”。初めて鉄道写真を撮った小学生のころから約50年。鉄道カメラマンなのに、列車に乗ると走るシーンを撮影しにくいので、撮影の8割はクルマで移動。そんなワケで1年のかなりの期間をクルマで生活しています。ちなみに、鉄道の他に“ひつじ”の写真もライフワークで撮影中、ときどきおいしいひつじの話も出てきます。



 主な著作に「富士鉄」(講談社)「新幹線ぴあ」(ぴあMOOK)「鉄道ムービー入門」(玄光社)「ひつじがすき」(山と溪谷社)など多数、映像集に「感動の美景鉄道」(MAXAM)「日本の新幹線・特急」(シンフォレスト)など、担当番組に「素晴らしき日本・鉄道の旅」(BS-TBS)など

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

このグルメ記事のライター

鉄道をメインにスチール、ムービーを撮影する“鉄道カメラマン”、鉄道旅と食の話、最新の話題から昔の話まで、お付き合いください。

関連するキーワード


撮り鉄

関連する投稿


撮り鉄の「食」の思い出(43) ひたちなか海浜鉄道であんこう鍋&駅猫&多彩な車両を楽しむ/2012~2016年

撮り鉄の「食」の思い出(43) ひたちなか海浜鉄道であんこう鍋&駅猫&多彩な車両を楽しむ/2012~2016年

茨城県のひたちなか海浜鉄道は常磐線に接続する勝田駅から海岸に近い阿字ヶ浦駅までを結ぶ電化されていないローカル線。この鉄道の魅力のひとつは、多彩な列車が走っていること。 それに、ひたちなか海浜鉄道の途中駅、那珂湊駅はネコの駅として有名です。 そんなマニアック情報に加え、今回の旅の目的は、あんこう鍋です……。


撮り鉄の「食」の思い出(42) クセになる!「黒石つゆ焼きそば」と「キ100」/ 2005~2015年

撮り鉄の「食」の思い出(42) クセになる!「黒石つゆ焼きそば」と「キ100」/ 2005~2015年

青森県の黒石駅に向けて走る鉄道は、弘南鉄道(こうなんてつどう)弘南線。終点にあたる黒石市は、青森市の南で弘前市の東側にある人口3万人強の町です。そしてこの街に、食べれば食べるほどクセになる「黒石つゆ焼きそば」があるんです……。


撮り鉄の「食」の思い出(41) 地吹雪の津軽鉄道ストーブ列車と「けの汁」/~2018年

撮り鉄の「食」の思い出(41) 地吹雪の津軽鉄道ストーブ列車と「けの汁」/~2018年

ストーブ列車と地吹雪で有名な津軽鉄道は、その名の通り津軽平野を走ります。 冬将軍の力が強くなると、地吹雪も強烈に吹き荒れます。 いったん降り積もった雪は低温でサラサラ。それが北風で飛ばされて地吹雪になります。 こんな地吹雪の中を走るストーブ列車、かっこいいです……。


撮り鉄の「食」の思い出(40) 冬の五能線。〝わさお“の焼いかとヒラメの漬け丼/~2018

撮り鉄の「食」の思い出(40) 冬の五能線。〝わさお“の焼いかとヒラメの漬け丼/~2018

冬の汽車旅のおススメは?と、聞かれたときに、必ず答えるのが五能線です。 秋田県の東能代駅から白神山地の北側を走り、青森県の川部駅までの路線で、県境付近では日本海の海岸線ぎりぎりに敷かれています……。


撮り鉄の「食」の思い出(39) 南阿蘇鉄道、復興へ! /1986~2018年

撮り鉄の「食」の思い出(39) 南阿蘇鉄道、復興へ! /1986~2018年

1986年に国鉄高森線から第3セクター鉄道になった南阿蘇鉄道。 国鉄の時代から最大の撮影ポイントが第1白川橋梁です。 美しい赤いアーチ橋で1928年から使用開始されて、約90年が経っています……。


最新の投稿


目黒の焼き鳥・鶏料理『やきとり 阿部』

目黒の焼き鳥・鶏料理『やきとり 阿部』

坊主頭にねじり鉢巻きが清々しい、店主の阿部友彦さん。目黒の名店「鳥しき」で修業を積み、2016年に独立。


おっさん女子の吉祥寺パトロール(84) タピオカ・バブルの吉祥寺だけど、本命の台湾カフェはあそこだろ! の件

おっさん女子の吉祥寺パトロール(84) タピオカ・バブルの吉祥寺だけど、本命の台湾カフェはあそこだろ! の件

世の中の台湾フードブームは下火なのかもしれない。しかし吉祥寺は今がピークなんだよ! 都心より遅いんだよ(涙)。吉祥寺は武蔵野市だからね……。 そんなワケで、吉祥寺は、タピオカ・バブルなのである。タピオカミルクティー&台湾スイーツの店が、多すぎなんだよ! もう……! という状況である。


赤坂の焼き鳥・鶏料理『赤坂焼鳥 鳳』

赤坂の焼き鳥・鶏料理『赤坂焼鳥 鳳』

幅広い種類の日本酒やワインとともに、伊達どりや水郷赤鶏、シャモロックなど店主が選び抜いた銘柄鶏・地鶏の串を深夜遅くまで味わえる。野菜串を含んだ6本をいただく「みすじコース」は、ひとりからでも気軽に頼めるのがうれしい。


名古屋エリア限定グルメ情報(63) 家族連れで利用できる本格イタリアン。名古屋・天白『イタリア料理 リベルタ』

名古屋エリア限定グルメ情報(63) 家族連れで利用できる本格イタリアン。名古屋・天白『イタリア料理 リベルタ』

「今日はイタリアンな気分!」と思っても、子供や両親を連れての食事は、どうしても回転寿司やファミレスなどになりがち。やはり、家族でイタリアンというのはハードルが高いのか……?  名古屋市天白区の閑静な住宅街にある『イタリア料理 リベルタ』は、そんな要望に応えてくれる店だ。


大門の焼き鳥・鶏料理『焼鳥 ふくなが』

大門の焼き鳥・鶏料理『焼鳥 ふくなが』

隠れ家のような小さな店構えながらも、こだわりの酒と、ひと手間ふた手間かけた焼鳥で客を魅了する。焼き台に加工備長炭を隙間なく敷きつめることでムラ無く焼き上げ、鶏の肉汁をギュッと閉じ込めた自慢の串には信玄どりを使用。


ランキング


>>総合人気ランキング